(19日、第107回全国高校野球選手権大会準々決勝 山梨学院11―4京都国際)
「甲子園のマウンドに立つと、球速が上がるというのは本当でした」
山梨学院の「ダブルエース」の一角、左腕の檜垣瑠輝斗投手(2年)が甲子園でさらなる成長を見せている。「自分でもびっくりしています」
この日も、エースの右腕・菰田陽生投手(2年)が先発した。4点リードで迎えた四回2死一、二塁、相手打者への初球がボールになった時点で出番が回ってきた。相手打者を直球で左飛に打ち取り、ピンチを脱出。終盤に3点を失ったものの、九回まで4被安打の安定した投球を見せた。
山梨大会では先発もあったが、甲子園では3試合ともに菰田投手の後を継ぐ形で登板。大舞台での経験を重ねる中で、新たな球種にも自信がついてきた。カットボールだ。スライダーもカットボールも球速が130キロ台へと上がり、打者にとっては直球と変化球の見極めが一段と難しくなった。
「菰田が『甲子園のマウンドはアドレナリンが急激に出る』と言っていた。自分の気持ちと体がいま、そんな感じでちょっと乗ってきています」
同学年の菰田投手はライバルであり、気の合う仲間でもある。山梨大会の期間中、サウナに一緒に通った仲だといい、「暑さは自分の方が強いと思います」。
春の選抜大会ではベンチに入れず、悔しい思いをした。努力を重ねて頭角を現した「左のエース」が、悲願の優勝に向けた短期決戦に燃えている。