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開会式で整列する西日本選抜と東日本選抜の選手たち=内海日和撮影

 「全国高校軟式野球選手権大会70回記念 春の軟式交流試合 in 甲子園」(日本高校野球連盟主催、朝日新聞社など後援)が5日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で開かれた。全国から選ばれた計50人が東西に分かれて出場し、西日本選抜が東日本選抜に3―0で勝利した。四回1死二塁から新原旭斗(福岡・朝倉東)のバント内野安打が相手の失策を誘って先制。七回は暴投、九回は野選の間に追加点を挙げた。

  • 甲子園から広まれ軟式高校野球 選抜選手による交流試合、5日開催

「魅力を全国に」 次世代につながる軟式野球

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西日本選抜―東日本選抜 東日本選抜に勝利し、抱き合って喜ぶ西日本選抜の選手たち=2025年5月5日、阪神甲子園球場、内海日和撮影

 選手宣誓で西日本選抜の主将を務めた佐藤奏太(鹿児島)は言った。「軟式の魅力を全国に」。ブラスバンドの音色を背に、バラバラのユニホームの選手たちがハイタッチを交わす。

 スタンドに陣取った各校の部員は回が進むにつれて一塁側、三塁側の内野席上段に集まり、大声援を送る。天理(奈良)の吹奏楽部は自校の選手がいる西日本でなく、東日本の応援に回った。

 全国の軟式球児が、文字通り一つになった交流試合。その意義を、関係者の多くが「軟式という選択肢を知ってもらえる」と話す。

 日本のスポーツは幼少期から競技志向が高い傾向にある。年齢が上がるにつれて多くの人がスポーツを「する」ことから離れる。しかし、「見る」だけのスポーツでは先細りは避けられない。

 軟式は力だけでは打球が飛ばず、用具は硬式より安価で受け入れられやすい。様々な競技レベルの人たちが、野球を続けられる場だ。四回に二塁打を放った東日本の後藤大輝(宮城・東北)は「野球を続けてよかった」。高校1年で硬式から離れ、軟式に移ってきた。

 国際大会や大リーグでの日本選手の活躍や、プロ野球の盛り上がりは、幅広い年齢層が野球に関心を持つきっかけになった。その先で「する」スポーツとして広く受け皿になれるのが軟式だろう。硬式も含めた広大な裾野を維持してこそ、野球というスポーツは次世代につながっていく。

 【東日本選抜】投手 後藤大輝(③宮城・東北)会田大嘉(③山形・羽黒)明才地倖太(③栃木・文星芸大付)森川天太(③千葉・拓大紅陵)出口未来(③神奈川・三浦学苑)本木魁星(③長野・松商学園)小田切音和(③長野工)▽捕手 尾崎佑成(③北海道・登別明日)名須川琉斗(③岩手・専大北上)中島陽翔(③茨城・古河)石川雅規(③東京・城西)多田進之助(③神奈川・栄光学園)渡辺陣(③新潟商)▽内野手 白浜琢磨(③北海道科学大)佐藤耀(②青森・弘前工)進藤海星(③秋田工)栗原秀翔(③茨城・茗溪学園)新井絢斗(③栃木・作新学院)加藤弘輝(③埼玉・花咲徳栄)中根航太ジェームズ(③東京・駒場東邦)岡田凱世(③富山商)▽外野手 藤原大侑(②秋田)引地遼汰(③仙台商)藤村厚志(③栃木・白鷗大足利)樋口陽斗(③群馬・高崎工)

 【西日本選抜】投手 氏原奏達(③愛知・東邦)大橋輝雄(③京都翔英)田中瑛士(③島根・浜田)土屋海旺(③岡山・高梁城南)吉田倫太朗(③徳島・富岡東)川崎翔太郎(③熊本・文徳)▽捕手 岩山大翔(③岐阜・恵那)南大和(③大阪・河南)原川快理(③広島商)大内陽聖(③愛媛・新田)橋本大空(③大分・津久見)▽内野手 杉浦祥太(③静岡商)片木耕太(③滋賀・比叡山)勝又瑠威(③奈良・天理)坂口卓弥(③大阪・興国)足達大輝(③鳥取・米子東)三浦綾峨(③山口農)木村友祐(②香川誠陵)早川駿哉(③長崎・五島南)佐藤奏太(③鹿児島)▽外野手 山本錬(③三重・高田)大塚亮汰(③兵庫・育英)山下昊悦(③和歌山・耐久)宮家遥生(③浜田)新原旭斗(③福岡・朝倉東)丸数字は学年

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試合後に、集合写真におさまる西日本選抜と東日本選抜の選手たち=2025年5月5日、阪神甲子園球場、内海日和撮影
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西日本選抜―東日本選抜 七回表西日本選抜1死二、三塁、暴投の間に三塁走者の天理・勝又(中央)が生還、打者京都翔英・大橋(左)が喜ぶ=内海日和撮影
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西日本選抜―東日本選抜 四回表西日本選抜1死二塁、朝倉東・新原のバント内野安打が相手の失策を誘い、生還した山口農・三浦はベンチで喜ぶ=内海日和撮影
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西日本選抜―東日本選抜 四回表西日本選抜1死二塁、朝倉東・新原のバント内野安打が相手の失策を誘い、先制のホームを踏んだ山口農・三浦(左)。捕手名須川=内海日和撮影
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阪神甲子園球場で行われた春の軟式交流試合=米田怜央撮影

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