浦和実―東海大札幌 一回裏東海大札幌無死、山口は中前安打を放つ=有元愛美子撮影

(25日、第97回選抜高校野球大会2回戦 浦和実8―2東海大札幌)

 「10年ぶりに記録(前回出場時の準優勝)を塗り替えようと乗り込んだ甲子園なので、(負けて)悔しいです」。試合後、山口聖夏(せな)主将(3年)はまっすぐ前を見据えて言った。

 チームはスローガンに「総攻撃」を掲げ、打撃でも守備でも走塁でも積極性を前面に打ち出す。

 だが、守備では甲子園の2試合で計九つの失策を記録。処理が難しい打球をはじいたり、ライトゴロを狙って悪送球になったりする積極性が裏目に出たミスもあった。

 山口主将は「いくら点を取っても守備のほころびで失点しては勝てない。攻守のつながりを大事に考え、修正していきたい」と夏に視線を向けた。

 打撃では、第1ストライクから積極的に狙いに行くチームの決まり事があった。「チームに勢いをつけるのが1番を打つ主将の務め」。1回戦も2回戦も「第1ストライクをフルスイングできた」。1回戦は無安打だったが、この日は1回に痛烈な中前安打を放った。

 チームは2試合連続2桁安打を記録した。昨秋以降、打撃力の向上が課題に挙げられていたが、「冬の鍛錬で努力してきてチームとして結果を残せて自信になった」。自身の成績より、チーム全体の成長を喜んだ。「甲子園は憧れだったけど、戦いの場としては最高の舞台。初心にかえって練習し、(夏に)戻ってきて、今度こそ日本一を取ります」と続けた。

 遠藤愛義監督は「決して下を向かない百点満点の主将」と評する。山口主将がめざす「日本一」についても「本当に手の届くところにある。今日の負けから選手一人ひとりが感じて、チームに還元して成長していってほしい」と選手たちの頑張りをねぎらった。

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