伝説の熱闘再び――。2006年夏の甲子園決勝で引き分け再試合となった早稲田実(西東京)―駒大苫小牧(南北海道)の当時の出場選手らが6日、北海道長沼町で19年ぶりに熱戦を繰り広げた。
第88回全国高校野球選手権大会で早実のエースだった斎藤佑樹さん(37=元プロ野球日本ハム)と駒苫の主将だった本間篤史さん(37)らが「もう一度集まって試合をしよう」と呼びかけて実現した。
斎藤さんが同町に建設した少年少女用の球場「はらっぱスタジアム」で早実側9人、駒苫側16人が参加。関東や愛知、タイから駆けつけたメンバーもいたという。プロ野球巨人の田中将大投手(36)は欠席したが、本間さんが持参したクマのぬいぐるみ「まー」が背番号「1」をつけた。
試合は軟式球、7回制で実施。06年の甲子園決勝・再試合と同じ、早実側・斎藤さん、駒苫側・菊地翔太さんが先発した。両翼70メートル、中堅85メートルで両チームとも2本塁打が飛び出す白熱した一戦に。選手たちは昔を思い出すように一投一打を楽しんでいた。
06年の決勝は1―1(延長十五回)で決着がつかなかった。37年ぶりとなった翌日の決勝再試合は早実が4―3で制し、駒苫の3連覇を阻止して初優勝を飾った。この日の「再戦」は早実側が12―4で再び勝利した。
110球で完投した斎藤さんは「このメンバーで集まれたことで、野球をやっていれば19年後でも人の輪が広がっていくことを、次世代の子どもたちに伝えられれば」。本間さんは「楽しかった。いつか全員が集まって試合がしたい」と話した。