軟式交流試合で三塁塁審を務めた松本京子さん=2025年5月5日、阪神甲子園球場、米田怜央撮影

 佐賀県公式野球審判協会の松本京子さん(46)が5日に阪神甲子園球場(兵庫県西宮市)で開かれた軟式高校野球の交流試合で審判を務めた。「すごくきれいで、本当に大事にされている球場と思った」。かけがえのない「聖地」での経験を、夏の全国高校野球選手権佐賀大会でのジャッジにも生かすつもりだ。

 松本さんは「全国高校軟式野球選手権大会70回記念 春の軟式交流試合 in 甲子園」(日本高校野球連盟主催、朝日新聞社など後援)に、他の女性審判委員6人らと交代で出場。三回まで三塁塁審に入った。

 これまで高校野球の硬式の選抜大会、硬式と軟式の全国選手権大会で女性審判委員の出場はなく、活躍の場を増やすことが狙いでもあった。

 甲子園のグラウンドに立つのは、2023年の全国高校女子硬式野球選手権大会決勝など3年連続だった。今回は選抜チームの主将が「甲子園に立った私たち全員は、軟式野球の魅力を全国の皆様に届けられるよう全力でプレーする」などと選手宣誓した言葉に感銘を受け、「県内で頑張る若手審判もここを目指せるように、(自分も)いろいろ伝えていかなければ」と改めて思った。初めて甲子園でプレーした軟式球児の姿は心から楽しそうに映ったという。

 佐賀県唐津市出身の松本さんは小学生で野球、中学、高校とソフトボールに打ち込んだが、大学ではボランティア活動に力を入れた。済生会唐津病院に勤務してからは病院のチームでソフトを楽しむ程度だったが、先輩審判からたまたま声をかけられ、17年ほど前にこの道へ入った。「性別に関係なく受け入れてもらい、むしろ優しく教えてもらえた」と審判技術を次々に身につけた。20年からは国際審判も務め、このレベルの女性審判は九州ではまだ1人だ。

 09年から夏の高校野球大会でも審判を務めてきた。「高校の3年間はあっという間。年々、暑くなり、(自身の)体力も落ちているので、しっかり頑張りたい」。夜には約6キロのランニングなどをこなし、今夏に備えている。

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