10時間23分――。異例ずくめの会見だった。27日、東京・台場のフジテレビ本社前にはフジの会見に出席しようと、開始2時間以上前から報道陣ら150人超が長蛇の列をつくった。
パイプいすが敷き詰められた会場には海外メディアやフリーの記者、YouTuberら191媒体437人が詰めかけ、40台以上の映像カメラが並んだ。
物々しい雰囲気に包まれるなか、午後4時、会見が始まった。フジの港浩一社長ら幹部が姿を現すと、一斉にカメラのフラッシュがたかれた。冒頭、嘉納修治会長が女性に「社として、人権に対する意識の不足から、十分なケアができなかった」と謝罪。視聴者や広告主などへの謝罪の言葉を述べ、幹部はそろって10秒ほど頭を下げた。その後も度々、幹部がそろって頭を下げる場面が繰り返された。
港氏は女性について「最終的に長い療養期間を要することとなり、希望されていた仕事への復帰がかなわない状況になってしまった。気持ちをくみ取り切れていなかった」と直接謝罪したい意向を表明。紙の資料を持つ手は震えていた。
質疑応答では被害女性への対…