首相官邸に入る石破茂首相=2025年9月9日午前9時53分、岩下毅撮影

 自民党は9日、臨時の総裁選では異例の「党員参加型」(フルスペック型)で「ポスト石破」を選ぶことを決めた。深刻な党勢低迷に陥る自民。「党内民意」と向き合うことで支持層の流出を防ぎ、新総裁の正統性を得る狙いだが、選出方法そのものが総裁選の行方に影響を与えそうだ。

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 9日午前、党本部。ベテランの姿が目立つ総務会で、臨時総裁選の形式が全会一致で決まった。鈴木俊一総務会長は記者会見で強調した。「我が党の浮沈のかかった総裁選。党員・党友の声を幅広く反映させる方式が、こういう時こそ望ましい」

 自民はこれまで、総裁が3年の任期中に辞任した場合は「政治空白」を避けるため、総裁選は党員投票を省いた「簡易型」で行うのが通例だった。2020年、安倍晋三元首相が持病の悪化を理由に辞任を表明した際は、そこから2週間あまりで菅義偉氏を新総裁に選出した。

 そうした経緯を踏まえてもなお、党員参加型を選択した自民。それは、国政選挙の連敗により、衆参両院で少数与党となった政治状況を重くみたからだ。閣僚経験者は言う。「自民が『国民からずれている』との批判がある今こそ、党員の意見を聞かないと大変なことになる」

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 ただ、党員・党友の動向がカギとなる総裁選のあり方は、「ポスト石破」の勝敗さえ左右しかねない。

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