古い街並みの住宅街で、車が1台通れる程度の細い路地に入ると、巨大な女性の立体像が現れた。

REMAの「FOREIGIN MATTER:‘Sand in woman’(異物:砂の女)」=2025年3月1日午前、大阪市住之江区、伊藤進之介撮影
  • 【特集】いいね!探訪記

 丁寧に編み込まれた髪、長いまつ毛、鼻にはピアス。「砂の女」と名付けられた像だ。3Dプリンターで砂を材料に作り上げられたものだと説明書きにある。住宅街にたたずむ異質なアートに時間を忘れて見入ってしまう。

REMAの「FOREIGIN MATTER:‘Sand in woman’(異物:砂の女)」=2025年3月1日午前、大阪市住之江区、伊藤進之介撮影

【撮影ワンポイント】北加賀屋のアート

街の外から訪れるよそ者には、ギョッとする作品ばかり。でも、子どもを乗せて自転車で走るお母さんも、老人をデイサービスに送る家族も、生活の隣にある作品をまじまじと鑑賞することはない。アートが当たり前の光景として街に溶け込んだ、その関係を撮れないかと試みた。(伊藤進之介)

 そこから数十メートル歩いた建物の壁面には、落書きをする子どもの絵が描かれていた。通りを探索すると、あちこちの住宅や工場の壁一面にアートを見つけることができる。

 3月の平日の昼、アートを鑑賞していた男性(47)は、この地区の出身で今は大阪府外に住んでいる。「40年前から街並みは変わらないですが、帰る度に新しいアートを発見できて面白い」

 大阪市住之江区の北加賀屋地…

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