Smiley face
丸山寛・北区長(右)から名誉館長の委嘱状を受け取る大熊孝さん=2024年5月9日、新潟市北区役所、茂木克信撮影
  • 写真・図版
  • 写真・図版

 異色の河川工学者で新潟大学名誉教授の大熊孝さん(81)が、新潟市北区にある市の観光交流施設「水の駅『ビュー福島潟』」の名誉館長に3年ぶりに復帰した。自然との共生をめざす視点で治水のあり方を考察してきた大熊さん。暮らしている新潟市が、日本初の「認証」を受けたことに背を押されたという。

 就任は4月1日付で、就任式が先月、北区役所で開かれた。その席で大熊さんは、湿地の保全・再生や環境教育などの推進に関する全12項目の国際基準を満たすとして、新潟市が2022年11月、鹿児島県出水(いずみ)市とともに国内で初めてラムサール条約の「湿地自治体認証」を受けたことに言及した。

 「新潟市には潟が16あるが、福島潟は関わる市民ボランティア団体がいくつもあり、人との関係が一番深い。認証の大きな要素で、潟の中でもリーダー格だ」とその重要性を指摘。オオヒシクイやコハクチョウなど220種以上の野鳥や、国内北限のオニバスやヨシなど約800種の植物がみられる自然の宝庫の保全とともに、「(佐潟(さかた)や鳥屋野潟など)他の潟との連携や湿地としての水田のあり方など、広い視点で関わりたい」と抱負を述べた。

 河川工学の世界では、巨大ダ…

共有