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東京農業大学応用生物科学部の前橋健二教授
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 小林製薬が販売した紅麴原料を使ったサプリメントが原因と疑われる健康被害が報告されている問題。米麴や麦麴など、紅麴とは全く関連のない商品を扱うメーカーにも、問い合わせが相次ぎました。

 東京農業大学応用生物科学部の前橋健二教授(醸造学)は「麴文化のイメージが低下したとしたら、早く回復してほしい」と話します。前橋教授に聞きました。

 ――麴菌と紅麴菌の違いは。

 麴菌は、日本酒やみそ、しょうゆ作りなど国内で幅広く使われている菌です。日本の「国菌」とも呼ばれ、「アスペルギルス属」に属し、カビ毒は作りません。

 一方で、紅麴を作るのに使われる紅麴菌は「モナスカス属」の菌で、遺伝子や生成される代謝物も異なり、麴菌とは「別の生物」です。決して麴菌の一種ではありません。

 蒸した米にカビを生やしているという点は同じで見た目も似ているので、「紅色の麴では」と思われがちですが、紅麴は麴ではありません。モナスカス菌の培養物です。

 日本で紅麴と呼んでいるものは、もともと中国や台湾では「紅曲(紅麯)」として、諸説あるものの、1千~2千年くらい前から漢方薬や食品の色付けに使われてきたものです。

 モナスカス菌は赤い色素を作るのが特徴ですが発酵の力が弱く、生育が遅いため、紅麴自体でみそやしょうゆを作っているというのは、基本的に聞いたことがありません。あくまでも添加するものです。

 紅麴が日本に入ってきたのは…

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