患者を生きる・朝起きられない娘(後編)
9歳のときに起立性調節障害と診断された娘(17)は2020年春、家から徒歩5分の私立中学に入学した。
父(58)も母(58)も毎日通学できるか心配だったが、新型コロナが猛威をふるい、2カ月間はオンライン授業だった。
朝起きられない上に体力がなく、通学が負担な娘にとってはありがたかった。
6月に行われた入学式には、親子3人で参加した。翌日から対面授業が始まり、1日目も、2日目も、始業時間までに登校できた。
このままいけるかも――。みなでそう思った。でも、3日目から起きられなくなった。
ベッドからソファに移動させ、血圧を上げる薬を飲ませて車で学校に連れていく役割は、主に父が担った。
それでもいったん起きても寝てしまったり、起こしてもびくともしなかったりする日もあった。
1年生のときの欠席日数は50日、遅刻は81回にのぼった。2年、3年と学年が上がっても、状況はほぼ変わらなかった。
「別の高校に進みたい」娘の願い、閉ざされた進路
でも、中学校でも担任の先生…