京都府などが来年秋に開所をめざす病気の子どもやその家族が滞在できる「ドナルド・マクドナルド・ハウス京都(京都ハウス)」。遠方から入院や治療を続ける子どもや家族には心身や経済的に大きな負担がかかる。そんな家族にとって「わが家のようにくつろげる第二の家」とされる施設はどんな場所なのか。
医療機関が集まるポートアイランド(神戸市中央区)。兵庫県立こども病院に隣接してドナルド・マクドナルド・ハウスの「神戸ハウス」がある。
「おかえりなさい」
玄関から入ると職員から声をかけられた。エントランスホールの木目調の壁には大きな木が描かれ、やわらかい雰囲気が広がる。ハウスの至る所にボランティアの手による草花の折り紙やパッチワークの作品が飾られている。
居住スペースとなる個室は16部屋。それぞれにベッドとユニットバスがある。1階に共有のキッチンや冷蔵庫などがあり、料理や食事ができる。廊下にはテレビとソファがリビングのように配置されている。
ハウスマネジャーの仲井由起子さんは「家族が孤立してしまわないように、キッチンやリビングで少しでも人を感じてもらえる空間をつくっています」と話す。
コンビニ弁当が多い患者家族のために週1回ほど、野菜たっぷりの温かい食事を用意する。ハウスで提供される食事や日用品などは全て寄付や募金活動が元手だ。家族は1泊1千円(税込み、リネン代は別)で泊まれる。
過酷な環境、ボランティアの支え
患者の家族が病院に泊まり込…