Smiley face
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仮想空間内の美術館のイメージ。動物園や水族館のように、いろいろな動物もいる
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 長期入院を余儀なくされる小児慢性特定疾病(小慢)の子どもたちは、学校や友人とのつながりを失い、学びの機会の喪失や孤立といった課題に直面している。こうした状況を変えようと、子どもたちが制作したアート作品を仮想空間に展示し、自己表現と交流の場を提供する新たな試みが始まった。

 小児慢性特定疾病情報センターなどによると、小慢には、慢性骨髄性白血病や1型糖尿病など約800の疾病が指定されており、長期入院や通院が必要な子どもは四国に約2800人、全国には約11万人いるという。

 今回のプロジェクト名は「WonderMeta×PABLOS美術館」。インターネット上の3D仮想空間(メタバース)に美術館を開設し、入院中や在宅療養中の子どもたちが描いた絵や工作などを撮影し、データ化して展示。作品には、込められた思いや病気と向き合う日々のコメントも添えられており、来館者は作品にコメントやリアクションを残して交流できる。

 9月の「世界小児がん啓発月間」に合わせ、1日に開館した。20日までは気に入った作品に投票もできる。

 発起人は香川大医学部付属病院小児科医の川口幸穂さん(41)。外資系のコンサルティング会社で勤務した後に医師へと転身した。

孤立を防ぐ、広がるサポート

 長期入院を経験した子どもの…

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