「ええっ、こないに曲がってるの……」
兵庫県の女性(74)は5年前、自身のX線写真を見て衝撃を受けた。写っていた背骨は、左右に大きく湾曲し、S字状になっていた。
「変性側彎(そくわん)症(成人脊柱(せきちゅう)変形)」と診断された。背骨が曲がる病気で、背中や腰に痛みが生じるなどして、日常生活に支障が出ることもある。
振り返れば、40代ごろから、背中の痛みに常に悩まされてきた。息子2人を育てるかたわら、スイミングやテニスにも通い、体はよく動かす生活だった。それでも、立ったり歩いたりする際には痛みがあった。
腰にガードルを巻くなどして、だましだまし暮らしたが、次第に出かけるのもつらくなった。運動の習い事も50代にはやめた。料理をしようにも、長くは台所に立てず、いすに座って休憩をはさまなくてはならなくなった。
痛みを訴えて近所の整形外科を受診しても、X線を撮るわけでもなく、痛み止めと湿布薬を処方されるだけ。一時的な気休めにしかならず、継続的には通院しなかった。
「自分は姿勢が悪いから、痛いのはしょうがないのかな」と諦めて過ごしていたが、2020年の冬、転機が訪れた。
「すぐにでも手術したい」 コロナ下で諦めかけたが
なんでもない日常会話の中で…