奈良市埋蔵文化財調査センターに展示された盾形埴輪や円筒埴輪。古墳の発見につながった=2025年2月27日、奈良市大安寺西2丁目、今井邦彦撮影

 奈良市の佐紀古墳群で新たに見つかった全長約200メートルの佐紀池ノ尻古墳。発見の決め手になったのは、長大な蛇行剣などが出土した富雄丸山古墳のものとよく似た盾形埴輪(はにわ)が確認されたことだった。同市大安寺西2丁目の市埋蔵文化財調査センターで3日から始まる発掘調査速報展で展示される。

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 同センターが奈良市法華寺町の住宅建設予定地で進めていた発掘調査で埴輪が見つかったのは、2023年8月。盾形埴輪は、盾を模した板状の粘土板を円筒部に貼り付けたものが一般的だ。だが、出土したのは両側に板状のひれがある「ひれ付き円筒埴輪」に盾の文様を施したタイプ。4世紀後半にしか見られないものだった。

測量データで古墳状の高まり

 同センターの村瀬陸さん(3…

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