米ホワイトハウスの大統領執務室で2025年2月11日、イーロン・マスク氏(左)の話に耳を傾けるトランプ大統領=AP

 トランプ米政権で政府効率化省(DOGE)を率いる実業家イーロン・マスク氏が発言力を強めています。マスク氏は宇宙企業スペースXも率いており、「テック・ジャイアント(世界規模で支配的な影響力を持つ巨大IT企業)」による宇宙支配を懸念する声も出ています。宇宙の軍事利用に詳しい中曽根平和研究所の長島純研究顧問(元空将)は、「火星への有人探査という野心を持つトランプ大統領とマスク氏は、お互いを必要としている」と語ります。

 ――トランプ政権でスペースXの存在感が高まっています。

 第1期トランプ政権は(月面有人探査の)アルテミス計画を推進し、トランプ氏も2017年12月、月に有人基地を築き、そこを足がかりに将来の火星探査につなげるとする「宇宙政策指令1」に署名しました。

 ところが、トランプ氏は今年1月20日の大統領就任式で「我々は宇宙飛行士を火星に送り、星条旗を掲げる」と、直接火星への有人探査を目指す考えを表明しました。「まず月に拠点を造り、次に火星を目指す」という考え方は、今のトランプ氏には新鮮味もインパクトもないのでしょう。

 「MAGA(米国を再び偉大に)」を掲げるトランプ氏は、29年1月の任期までに火星への有人探査を実現する野望を持っていると思います。

 現在、火星の有人探査へと邁進(まいしん)する米企業はスペースXだけです。トランプ氏には必然的にマスク氏の力が必要であり、火星の植民地化を公言するマスク氏にとってもトランプ氏が必要なのです。

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