わが子の発達に悩み、療育や就学などに困ったら、どうすればいいのでしょうか。当事者や専門家に取材しました。専門家は、まずは行政窓口に相談すると同時に、同じ悩みをもつ親同士でつながることも重要だといいます。
まなviva!
幼い子どもから、人生のベテランまで。日々の暮らしの中に、学びは満ちています。「学ぶ」をとりまく最新事情を伝えます。
世田谷区の坪井奈緒美さん(40)は、長男(4)の発達がずっと気に掛かっていた。ずりばいを始めたころ、少し離れたところから名前を呼んだが、反応はなく、長男は扇風機のほうにまっすぐ向かった。「後追い」をしないことや、鏡に興味を示さないことも気になった。
SNSやインターネットで調べて、自閉スペクトラム症の可能性がありそうだと感じていた。ただ、保健師に相談しても「様子を見ましょう」と言われるだけで、乳児健診でも「問題なし」が続いた。
1歳半健診、初めて指摘され「やっと話せる」
初めて指摘されたのは1歳半健診だった。積み木や指さしができず、別室に呼ばれた。「やっと発達について話せるという安心感が大きかった」という。区が主催する、発達がゆっくりした子ども向けのワークショップに参加し、発達検査を勧められた。結果は自閉スペクトラム症。長男は2歳7カ月になっていた。「やっとわが子の『ほんとう』を知ることができました」
3歳から療育に通い始めた…