登山客が大沢付近で撮影したヒグマの親子=2025年8月10日午後0時15分、北海道斜里町の羅臼岳登山道わき、提供

 北海道・知床半島の羅臼岳(1661メートル)で、東京からきた登山客の男性(26)がヒグマに襲われ、死亡した。14日午前、登山道からヤブに引きずり込まれて行方不明となり、15日午後に発見された。

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 道警によると、15日午後1時すぎには、現場付近にいたヒグマの親子3頭が駆除された。

 捜索隊に危険が及ぶ可能性があったため、ハンターが発砲した。近くのやぶからは、男性のものとみられる血のついたシャツやくつなどが見つかっていた。周囲の地面や木には血痕のようなものもついていたという。

登山道で遭遇、緊張の10分

 知床は世界遺産に登録されて今年で20年となる。道によると、知床半島でヒグマに襲われて登山客の死者が出たのは今回が初めて。

 ただ、最近は登山道での目撃も相次いでいた。

 10日、四国からの登山客(68)は下山中、標高約1100メートルの羽衣峠付近で親子連れのヒグマに遭遇した。子グマは2頭。距離は5メートルほど。びっくりして腰をついたところ、クマは右の草やぶに隠れたという。

 男性は周りの登山者とゆっくり引き返したが、ヒグマ親子は登山道に戻り、ついてくるように登ってきた。距離は約30メートル。10分ほどで、大沢の入り口に着くと、ヒグマは山の奥に消えていったという。

 男性は国内外の山を登るが、「登山道でクマにあったのは初めて。襲ってくる様子はなかったが、緊張した」と話していた。

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 12日には、登山道でクマと…

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