白い岩肌から見えるいくつもの穴は、まるで蜂の巣のよう。古墳時代の横墓群と言われているが、いったい誰が、なぜこんなに密集して、どのようにして掘ったのか。
【撮影ワンポイント】蜂の巣のような古墳時代の横墓群
「日本のカッパドキア」をどう見せるか。古墳時代に思いをはせながら、吉見百穴へ。しかし、暑さで有名なこの地の洗礼を受け、頭はくらくら。結局、下から見上げた写真に。古代人に「地に足をつけて撮りなさい」と言われた気がした。(浅野哲司)
- 【特集】いいね!探訪記
平均45度もの急勾配の斜面に、1人入るのがせいぜいの横穴が、斜行しながらほぼ平行線上に並ぶ。炎天下の階段を上ると噴き出る汗とともに、謎は深まる。国の天然記念物ヒカリゴケが自生する穴もあり、妖しく光る。
埼玉県吉見町教育委員会によると、穴がほぼ全容を現したのは明治期になってからだ。それまでは土の間から数基の横穴が姿を見せていただけだった。
1887(明治20)年、帝…