Smiley face

 今季、一時はマイナス600ポイント近くまで負債が膨らみ、下位に沈む時間の長かったアベマズ。

 その中でエースとして奮闘し、今季レギュラーシーズンで最多出場を果たしたのが白鳥翔だった。

  • Mリーグ、アベマズがセミ進出の公算大 劇的なMVPの暫定首位争い

 チームのレギュラーシーズン最終日の27日。個人スコア賞(MVP)獲得争いをしている白鳥は、MVPをとってこいとチームメートに送り出された。

 第1試合、ラス目が続く厳しい展開を乗り越えて2着を持ち帰る。

 「生命力あるな」と控えめな笑顔を見せた。鼻の先には汗をかいていた。

 第2試合には多井隆晴が出る準備をしていたが、白鳥は「俺が出る」と言って再び戦いの場へ向かった。

 白鳥は優位に試合を進めていたが、終盤、MVPを争っている相手のドリブンズ・園田賢に麻雀(マージャン)の最高得点「役満」の一つ、国士無双をアガられ、さらに加点もされて逆転を許す。

 白鳥は南4局2本場、再逆転を狙うリーチをかける。牌(はい)山にはアガリ牌の5、8ソーが3枚。牌を引きながら、だんだん呼吸が普段と変わっていった。

 「やばいな……」と思った瞬間、引いてきたのは8ソー。控室でチームメートの日向藍子は涙を流した。暫定的にMVPになった瞬間だった。MVPは28日のシーズン最終日に確定する。

写真・図版
レギュラーシーズンのチーム最終戦でMVPに近づくアガリを手にした白鳥翔©ABEMA

 「ここ最近はレギュラーシーズンに全く勝てていなかったので。チームを救うことができて良かった」

 白鳥は試合後、笑顔を見せた。

 今季の躍進の裏には、サクラナイツ・堀慎吾と家族からの言葉があったと明かす。

     ◇

 「チームで契約を切られるんだったら、誰が切られるんだろう」

 今季が始まった頃から考えて…

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