百貨店の高収益を支えてきた訪日外国人(インバウンド)による免税売上高の落ち込みが続いている。円高が進み高額品の割安感が薄れたことが大きい。百貨店各社は為替に左右されない売り場作りで集客力を高めようとしている。
日本百貨店協会が25日に発表した全国の百貨店の7月の免税売上高は403億円で、前年同月より36.3%少ない。前年割れは5カ月連続で、3割以上下回ったのは3カ月連続だ。1人当たりの購買単価(約8万4千円)も前年を23%下回っている。同協会の西阪義晴専務理事は「円高が進み、1年前よりは買い物に慎重になっている。訪日外国人の客層が中間層にも広がっている事情もある」と解説する。
2024年7月に1ドル=161円台まで円安が進んだが、今年4月に140円台に。三越伊勢丹ホールディングス(HD)によると、欧米やアジアからの旅行客は昨夏なら、日本では自国より15%安く買うことができたという。それが、今では欧米の旅行者にとってはほぼ自国並みの価格水準になった。アジアの旅行客も価格差は5%ほどに縮んだという。高級ブランドの値上げも響き、高額品が振るわない状況だ。
大手百貨店は好調だった昨年…