百貨店の今年の「お中元商戦」が本格化している。儀礼的な贈答は減り、家族向けの「ご褒美」や仲の良い友人など身近な人に贈るプレゼントが主流になっている。一方、品薄感が続くコメは贈答用としても人気が高まっているが、取り扱いには各社が頭を悩ませている。
松屋は11日から、銀座店に特設売り場を開設した。開店直後に訪れた東京都大田区の主婦、橋本和美さん(70)は、結婚した娘の夫の両親や親しい友人などに贈るビールセットを注文した。
橋本さんは毎年、お中元は松屋で申し込む。「どこで買っても同じかもしれないけれど、ここから贈ると、とても喜ばれる」と話す。友人らからは、すき焼き用の牛肉やアイスクリームが届くことが多い。「孫が遊びに来ると、わが家の冷凍庫を楽しみにしているから、いただくことも贈ることもやめられない」
松屋が今年のカタログに掲載した商品は前年並みの約1800点。このうち、自分用ギフトにする「自宅配送」の限定商品を前年より6割多い138点に増やした。昨年のお歳暮で限定商品をアピールしたところ売り上げが前年より3割増え、お中元でも充実させた。宮崎牛の切り落としや博多めんたいこなど地方名産の生鮮食品が人気という。
高島屋は「自宅でプチ贅沢(…