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 全国で盆栽の盗難が相次ぐなか、熊本県御船町でも専門店から33点、時価総額で1880万円相当の盆栽が盗まれた。現場を訪ねると、怒りと落胆で苦しむ生産者の姿があった。

 被害に遭ったのは、創業47年目の「雅松園」(御船町高木)。5月8日朝、3代目の佐々木勇星さん(26)が盗難に気づき、御船署に届けた。防犯カメラの映像から8日午前1時半~2時の間の犯行とみられる。

 約500点あるなかで、玄関近くにあった、片手で運べる小ぶりの鉢が集中的に狙われた。人感センサーが作動して明るくなる場所の盆栽には手がつけられていなかった。

 盆栽は小さいから安いとは限らない。50年以上前に芽を出したものを園で買い取って手入れしてきたものもある。丹精込めて世話をすることで、小さなサイズのまま生き続ける。盗まれた中には、一鉢で100万円近いものもあったという。

 犯人はどんな人物か。

 防犯カメラに映っていたのは1人。鉢を下から抱えるのではなく、樹木部分を上からつかんで運んでいた姿から、創業者の佐々木孝二さん(76)は「盆栽を何も分かっていない素人」と話す。一方で、犯人が塀越しに盆栽を渡している姿が確認できたこと、安価な鉢は手つかずだったことなどから、外に指示役がいたとみる。

 日本盆栽協同組合(東京)に…

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