(17日、第107回全国高校野球選手権新潟大会3回戦 新発田農7―0小千谷)
目の前に迫った本塁は、それでもまだ遠かった。シード校相手に2安打を放った小千谷の浅井優吾(3年)は七回、三塁で試合終了の合図を聞いた。
一回、大会屈指の好投手である新発田農のエース遠山剣臣(同)の直球を捉え、二塁打に。七回には継投した投手の変化球をはじき返して出塁し、連打で三塁へ。だが、あと1本が出ずコールド負け。「何とかして1点をとりたかった」と悔しさをにじませた。
「気持ちで負けない」攻めのリード
「相手は強いから気持ちで負けないように」と捕手として攻めのリードを貫いた。先発した坂大蒼太(同)もそれに応え、最後まで投げ抜いた。相手打線を抑えることはできなかったが、「真っ向から勝負した結果だから、悔いはないです」と唇をかんだ。
岩渕大監督は「浅井が攻守の要」と信頼を置く。この日も主将として「気持ちで負けるな」と声を出し続けた。「もう少しみんなと野球がしたかった」。最後はこらえきれずに涙を拭った。