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ナノプラスチックの粒子を水に溶かした溶液。白濁して見えるのは、粒子の大きさが数百ナノメートル(1ナノメートルは100万分の1ミリ)ときわめて細かいためだ。どんな波長の光を吸収するのかを示す「吸光度スペクトル」を手がかりにすれば、土に混じったナノプラスチックの濃度をつかむことができるという=産業技術総合研究所・土田恭平研究員提供

 きわめて微細で、人体への悪影響が懸念されているプラスチックの粒「ナノプラスチック」が、土壌にどれくらい含まれているのか。その濃度を詳細に調べる手法を、産業技術総合研究所や早稲田大などの研究チームが開発した。環境中の分布状況をつかむことで対策づくりに役立つと期待される。

 ナノプラスチックは、ナノメートル(100万分の1ミリ)が名前の由来。大きさが1マイクロメートル(千分の1ミリ)より小さいプラスチック粒子のことを指し、一般に知られているマイクロプラスチック(1マイクロメートル~5ミリ)よりもはるかに小さい。

 呼吸や飲食を通じて人間や動物の体内に入ると考えられ、赤血球を破壊したり細胞内のミトコンドリアDNAを傷つけたりすると懸念されている。ただ、あまりに小さいため捕捉することが非常に難しく、環境中にどれくらい存在するのかはほとんどわかっていない。

 産総研の土田恭平研究員らは…

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