(22日、第107回全国高校野球選手権兵庫大会5回戦 加古川東0―7社)
加古川東は一回に1点を先制され、さらに1死満塁のピンチを迎えた。
初戦から5試合連続で先発した土屋智裕投手(3年)は、落ち着いていた。変化球を交え、後続の打者2人をいずれも左飛に打ちとり、追加点を許さなかった。「相手の力量では突きはなされてしまう。最少失点で抑えようと、タイミングをずらすことを意識した」
チームの目標は2勝だった。だが、初戦に終盤で逆転勝ちして勢いがつき、2戦目ではシード校を破った。疲労はあったが、1年と2年の投手陣が成長をみせ、継投で支えてくれた。「支えてくれるピッチャーが後ろにいるから、自分も落ち着いて投げられた」
この日、土屋投手は守備の乱れもあって四回途中までに4失点。島本迅基(としき)投手(1年)にマウンドを託した。八回のピンチには伝令としてマウンドに駆けつけ、「点を取られてもいいから、放りきれ」と西口隼世投手(2年)を励ました。
チームは相手投手陣を打ち崩せず、8回コールド負けだった。
土屋投手は「悔しい気持ちはあるが実力で負けた。やり切った」とすっきりした表情で語った。
本多謙心主将(3年)は「チームは実力がない分、気持ちでここまできた。苦しい中、がんばって投げてくれて、頼りになる存在だった」とエースの力投をねぎらった。