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四国汽船のフェリー「せと」=2022年7月4日午後3時5分、高松港、福家司撮影

 四国汽船(香川県直島町)は、6月1日からの運賃値上げを国土交通省四国運輸局に申請した。認可されれば、43年ぶりの値上げとなる。同社がフェリーや高速船を運航している直島は、今年開催される瀬戸内国際芸術祭の主要な会場となっている。

 高松―直島(宮浦)間では、フェリーの旅客運賃が160円上がって680円に、車両運賃(4メートル以上5メートル未満)が1650円上がって7150円となる。全体の値上げ率は旅客運賃が5~37%、車両運賃が13~30%。

 直島(宮浦)―豊島(家浦)間、直島(宮浦)―犬島間、豊島(家浦)―犬島間の3航路の高速旅客船の旅客運賃も値上げになる。

 申請は3月26日付。同社は、燃料費などの高騰、船員不足に伴う人件費や採用コストの増加を理由としている。

両備グループの傘下に

 直島(香川県直島町)と高松、岡山・宇野などを結ぶフェリーや旅客船を運航している四国汽船(香川県直島町)が、岡山を中心に交通事業などを展開する両備グループの傘下に入った。

 両備グループが3日、発表した。四国汽船は全株式を両備グループの中核会社、両備ホールディングス(岡山市)に譲渡した。従業員98人(パート、アルバイトを含む)はそのまま引き継がれるという。

 両備グループによると、昨年6月、四国汽船側から「船員不足で航路の維持が難しくなった」と支援の依頼を受けた。翌月から業務支援に入り、さらに経営改善が必要だったため、経営を引き受けたという。

 新社長には両備グループの小嶋光信代表が就任した。同グループの広報担当者は「離島の生活航路を守り、瀬戸内海が世界に誇れる観光地となるように努めたい」としている。

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