サッカーJリーグで、エンブレムを新しくするクラブが近年相次いでいる。苦楽の歴史を紡いできたクラブの「顔」を、なぜ変えるのか。
J1名古屋グランパスは今季から変更した。25年ぶりの刷新に踏み切った理由の一つは、クラブのパーパス(存在意義)の再定義だ。
旧デザインはグッズ企画の公募から生まれたため、クラブが掲げるフィロソフィー(哲学)や目標、大義を的確に表現できていないのでは、という声があったという。20年以上が経過し、クラブを取り巻く環境も変わった。
そこで昨年、中学1年生~60代後半のサポーター男女50人を加えた会議を4回開催した。ラフ段階の数百種類から8案に絞り込み、投票や聞き取りなどを経て新作を決めた。
新エンブレムには、新たに策定した「Open mind for the Grampus family」など三つの価値観を投影させた。戸村英嗣・事業統括補佐は「エンブレムのコンセプトや込められた思いを職員や選手、ファンが自分事としてとらえ、みんなの目線をそろえられた」と話す。
エンブレムの変更は世界的な潮流だ。
2016年以降、イングラン…