火事で焼けた牛舎の跡地に建てられた新しい牛舎で身を寄せ合う子牛たち=2024年12月6日、鈴木優香撮影

 毎年、冬から春先にかけて牛舎火災が後を絶たない。牛の命が一度に数十頭、時には100頭規模で奪われている。

 18日未明、北海道白糠町の牧場で火事があった。牛舎1棟がほぼ全焼、鎮火までは約5時間かかり、中にいた子牛7頭が死んだ。

 2日にも遠軽町の牛舎で火災が発生。母牛と子牛の計18頭が犠牲となった。中には、数日以内に出産を控えた母牛もいた。遠軽地区広域組合消防署によると、牛舎内の牧草ロールにも火が入り、通報から鎮火まで5時間半以上かかったという。11月には豊富町で火災により、約100頭の牛が命を奪われた。

 道東で酪農業を営む男性は3年前の2021年3月、火災で牛21頭を失った。

 忘れもしない。真夜中に急に妻にたたき起こされた。「燃えているからなんとかして」

 夜10時ごろに見回りに行っ…

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