現場へ! 限界不動産(1)
「蝦夷(えぞ)富士」と呼ばれる羊蹄山やニセコ連峰に囲まれた倶知安(くっちゃん)町は、北海道南西部にある。札幌の中心から車で2時間ほどの町は海外からのスキー客でにぎわい、今では世界的なリゾート地になった。
横浜市に住む永山東材(はるき)さん(65)は2021年、この町の「山梨」地区にある山林165平方メートルを相続した。父が1968年に買ったという。だが、この山林を所有し続ける意思はなかった。
そこで相談したのが、使うあてのない土地を専門に扱う「負動産の窓口」(前橋市)だ。同社を運営する荒井達也弁護士が同町に問い合わせると、土地の寄付を受け付けていることがわかった。
手続きは簡便だった。同町か…