【宮崎】不登校の中学生向けに多様なカリキュラムが組める延岡市の「学びの多様化学校」で、県の埋蔵文化財センターの「出前講座」があった。
市内の遺跡や出土品を知って地元への関心を高める総合学習の一環で、今月2日に開かれた。オンラインも含め、生徒5人が参加した。
センター職員が「昔のもの(遺物)を通して昔の人の暮らしを知るのが仕事」と紹介し、「実は県も延岡も遺跡だらけ」と説明すると、生徒から驚きの声があがった。
教室には県内で出土した約200点の土器や石器が並べられ、生徒は職員と一緒につぼを触ったり、石斧(せきふ)で木を割ったり。笑い声が満ちた。中3の上妻愛実(こうづままな)さん(14)は石器でドングリつぶしに挑戦。「なかなか見ることも触れることもないので、いい経験になった」と笑顔だった。
酒匂(さこう)慎一郎校長は「本物に触れることが視野を広げる。体で覚えるのは大事です」と話した。
同校は県内初の学びの多様化学校で、2024年4月に開校した。年間標準1015時間のカリキュラムを770時間に抑え、子どもたちの負担を軽減。代わりに「芸術」「プロジェクト学習」といった、既存の科目を横断した教科を設けた。
子どもたちの興味・関心に基づく体験型の学習も採り入れ、昨年は学校最寄りの老朽化したバス待合所を近所の高齢者らと一緒に改修し、生まれ変わらせた。