香川県立学校の児童生徒や教職員らが使うタブレット端末などにログインするためのアカウントが不正に削除された問題で、県教育委員会は20日、復旧作業が終わり、安全性確保の見通しもたったとして、21日からアカウントの運用を再開すると発表した。
県教委によると、約750万円で契約を結んだセキュリティー業者の調査の結果、アカウントの削除ができる管理者用アカウントのパスワードが盗まれ、海外からログインされていたことがわかったという。少なくとも昨秋から不正にログインされた形跡があったが、県教委はアカウントの削除が判明する今年4月まで気づかなかったという。
削除されていたのは県立中学と高校、特別支援学校の計39校、約1万7千件のマイクロソフトのアカウント。児童生徒約1万3千人、教職員約2400人がリポート作成で端末を使えないなどの影響が出ていた。クラウド上にあったデータに影響はなく、外部流出も確認されていないという。
不正にログインされたアカウントからは、スパム(迷惑)メールが送信された疑いもあったという。児童生徒らのアカウントを削除した動機や、パスワードを盗んだ方法はわかっていない。
マイクロソフトのアカウントは、2020年2月から段階的に導入され、2万9千件(今年4月4日時点)のアカウントを利用していた。ただ、導入当初から不正ログインの監視体制は整備していなかったため、発覚が遅れたという。
淀谷圭三郎教育長は定例会見で「(生徒や教職員には)申し訳なく思う。改めてセキュリティー対策を強化し、安全安心な環境で教育活動ができるよう努めたい」と述べた。