小学校低学年でも3人に1人がスマホを所有――。東京都が保護者を対象に行った、子供のスマートフォンの利用に関する2023年度の調査でこんな結果が明らかになった。SNSなどを通じて子供が知らない人と直接会ったり、顔や体の写真を送ったりするケースも増えていて、都は閲覧制限機能を使うことなどを呼びかけている。
調査は1月、都内の小中高生の保護者2千人にインターネットでアンケートを実施した。結果によると、スマホの所有率は小学校1~3年生が27・2%、4~6年生が43・0%、中学生で84・8%、高校生で92・0%だった。
さらに、スマホを持たせている保護者2千人を調査したところ、約6割が「不安なことがある」と回答。不安の具体的な内容(複数回答)は、「メールやSNSが原因で友達等とトラブルにならないか」(74・8%)、「架空請求や迷惑メールなどが届かないか」(50・4%)、「アプリやゲームの購入・課金等により、多額の請求が届かないか」(49・2%)が上位に挙がった。
保護者の約2割は「子供がSNS等を通じて知らない人とやりとりしたことがある」とも回答。きっかけの内訳は、「ゲームの話」(40・9%)が最も多く、「芸能人やユーチューバー等の話」(40・4%)、「アニメや漫画の話」(36・4%)と続いた。
内容は「顔や身体の写真・動画の送受信をした」が20・3%(前年度比11ポイント増)、「直接会った」が14・2%(同5・7ポイント増)と前年度の調査から、大幅に増えた。
一方で、子どものスマホ利用を制限する機能を使う保護者の割合は減っている。アプリやサイトの利用を制限するフィルタリングサービスを設定していない保護者は全体の41・7%で、前年度より3・2ポイント増えた。都民安全課は「子供がフルオープンに見られる環境にせず、閲覧を機械的に制限することはトラブル防止に有効」として設定を勧めている。(伊藤あずさ)