知床岬付近で見つかった「KAZUⅠ(カズワン)」のものと思われる救命具=第1管区海上保安本部提供

 北海道斜里町は12日、2022年4月に知床半島沖で起きた小型観光船「KAZUⅠ(カズワン)」沈没事故の追悼式を4月23日に実施すると発表した。すでに被害者の家族に伝えており、地元町民など一般の参列も呼びかける。

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 3年目となる今年も昨年と同様、町と地元の実行委員会が共催。会場は同町ウトロの漁村センターで、午前10時~午後3時に献花所を開設する。式は午後1時から。

 山内浩彰町長の式辞後、消防のサイレンとともに全員で黙禱(もくとう)して犠牲者を悼む。そして、実行委員長を務める野尻勝規・知床斜里町観光協会長が「安全の誓い」を述べる。

 町は12日、新年度予算案を発表。「遊覧船事故対応事業」として実行委への助成金130万円を盛り込んだ。財源は、事故後に全国から町に寄せられた寄付金で創設した海難事故基金でまかなう。

 山内浩彰町長は「(事故は)町の歴史に深く刻まれた事実。被害に遭った方々の思いに寄り添いながら追悼式を実施する。観光シーズンの始まりの時期でもあり、安全を誓う意味合いも含めた式典になれば」と話した。

 事故では乗客・乗員26人のうち20人が死亡し、今も6人の行方がわかっていない。

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