沈没した「KAZUⅠ(カズワン)」=知床遊覧船のウェブサイトから

 2022年4月、知床半島沖で小型観光船「KAZUⅠ(カズワン)」が沈没した事故で、死亡した豊田徳幸船長(当時54)が26日、業務上過失致死容疑などで書類送検された。「船長を引きずり下ろしてでも出航をやめさせれば」。今も地元関係者は悔やみ続ける。

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 第1管区海上保安本部(北海道小樽市)によると、豊田船長は、出航前に船体に異常がないか検査する義務と、天候の悪化が予想される中で、出航の中止あるいは航行継続の中止をする義務のいずれも怠り、船を沈没させた疑いがあるという。

 「亡くなった人を悪く言うのはよくないが、彼は船長ではなかったと思う」

 地元漁師の男性はそう話す。事故当日は、漁船も昼前には帰港する気象状況。豊田船長に出航の見合わせを促した人もいたが、カズワンは出航した。「知床の海を知らなかった。海に出れば船長が責任を負うが、すべてを担うには早すぎた」

 関係者によると、豊田船長は…

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