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大会連覇を逃して泣き崩れる石橋の選手たち=2025年7月20日、宇都宮清原球場、津布楽洋一撮影

(20日、第107回全国高校野球選手権栃木大会3回戦 宇都宮工2―1石橋)

 昨年の優勝校の石橋がベスト8を前に無念の敗退。2005年の宇都宮南以来となる県立校の大会連覇はならなかった。

 石橋と宇都宮工は、ちょうど1年前の同じ日、同じ3回戦で対戦。2―1で石橋が競り勝っていた。福田博之監督は「あの試合からの悔しさも含めて、宇工さんの方が一枚上だったと思う」と語った。

 試合後半まで、宇都宮工のエースに完璧に抑え込まれた。手元で伸びるような球をとらえられず、六回まで無安打。

 それでも「球数を投げさせて終盤勝負」という福田監督の指示通り、八回には主将の杉浦悠成(3年)らが3安打を放って1点を返した。九回も一、二塁と逆転の走者を出して攻め立てたが、一歩及ばなかった。

 夏の甲子園初出場、初勝利を果たした昨年のチームに比べると、「体も小さく、個々の能力も少し低い。何よりも精神的に弱かった」(福田監督)。杉浦も「正直、(重圧を)感じることはあった」。だが「応援してくれる人がたくさんいる」とポジティブな気持ちに切り替えたという。

 福田監督は「このチームがここまで成長するとは思わなかった。すごく伸びた。最後は自分も感動した」と選手たちをたたえた。

 野球部には昨夏の甲子園効果もあって、今春は例年より多い約20人の1年生が入るなど活気づいている。また今大会は県立校の好試合も目立つ。連覇は逃したが、一昨年の21世紀枠での春の選抜出場を経て、選手権での甲子園出場を果たし、県立各校の意欲を呼び起こした石橋の功績は変わらない。

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