拉致被害者家族会などが開いた集会であいさつする横田早紀江さん(左)と石破茂首相(右)=2024年11月23日午後2時23分、東京都千代田区、北野隆一撮影

 北朝鮮による拉致被害者家族会や支援団体「救う会」などは23日、東京都内で「全拉致被害者の即時一括帰国を求める国民大集会」を開いた。主催者発表で約800人が参加した。

 就任後初の参加となった石破茂首相は、2002年9月の日朝首脳会談で北朝鮮が拉致を認めた当時、自身が拉致議連会長だったことに触れ、「ありありと覚えているが、横田早紀江さんが当時『めぐみは生きている』と叫んだ。それがこの問題に取り組む原点」と語った。「実際に会いもしないで相手を非難しても始まらない。正面から向き合って思いを実現したい。首脳の戦略的決断が事態を動かす」と述べ、金正恩(キムジョンウン)総書記との日朝首脳会談の実現に意欲を示した。

 横田めぐみさんの母早紀江さん(88)は「青年たちが突然連れて行かれ、声も聞こえない人生が長い年月続いている。日本はこんなことでいいんでしょうか」と問いかけた。拉致被害者の曽我ひとみさん(65)も、1978年に拉致された際に生き別れた母ミヨシさんを気遣い、「優しく心の温かい母と半世紀近くも会えないなんて悔しい。私に親孝行する時間を与えてください」と訴えた。(編集委員・北野隆一)

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