石破茂首相が今春の大型連休に、フィリピンを訪問する方向で調整していることが26日、わかった。複数の政府関係者が明らかにした。南シナ海で軍事拠点化を進める中国を念頭に、日本は首相の訪問によって「準同盟」と位置付けるフィリピンとの関係を強化させたい考えだ。
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日本の首相のフィリピン訪問は2023年11月の岸田文雄首相以来。近年、南シナ海で中比関係が悪化する中、日比両国は急速に接近している。石破政権下でも1月に岩屋毅外相、2月には中谷元・防衛相がフィリピンを訪問。日本が防衛装備品などを無償提供する「政府安全保障能力強化支援」(OSA)などを通じ、日比間の安保協力が深まっている。
一方、バイデン米政権のもとでは、日比両国に米国を加えた日米比3カ国関係の強化が図られてきた。しかし、トランプ政権の発足で「米国はフィリピンが直面する南シナ海の問題などに関心が乏しくなるのでは」(日本政府関係者)との懸念も出ている。日本は今回の首相訪問で改めて日本のフィリピン重視の姿勢を見せ、日米比の団結の重要性も訴える考えだ。