石破茂首相は春の大型連休後半の「静かな休日」に入ろうとしている。連休前半は東南アジア外遊で慌ただしく過ごした一方、後半は特段の日程を入れていないため、「少しゆっくりしてもらう」(首相周辺)という。トランプ米政権の関税措置への対応、東京都議選や参院選をめぐる政局など、山積する課題に考えをめぐらす日々を過ごすとみられる。
首相は4月30日深夜、3泊4日の日程で訪れたベトナム、フィリピンから帰国し、5月1、2日は首相官邸を中心に活動した。2日午前には訪米中の赤沢亮正経済再生相からベッセント米財務長官らとの関税交渉について報告を受けたとして記者団の取材に応じ、「非常に前向きな建設的な議論であったと報告を受けている」と語った。
原則として国会審議のない大型連休は、首脳外交を展開する絶好のタイミングだ。岸田文雄前首相は2022年、8日間かけて東南アジアと欧州の4カ国を訪問。23年も7日間かけてアフリカ4カ国とシンガポールを訪れ、いったん帰国後に韓国にも足を運んだ。
安倍晋三元首相は休みの日をリフレッシュに使うことでも知られた。例年、春の大型連休に外遊をこなしつつ、残る日程は山梨県内の別荘で過ごし、趣味のゴルフで気分転換を図ることが多かった。
今回、石破首相の大型連休後…