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首相官邸に入る石破茂首相=2025年6月30日午前9時7分、岩下毅撮影

 選択的夫婦別姓制度の導入をめぐり、石破茂首相(自民党総裁)は30日夜、法案の採決時に党議拘束を外す案について「一つの考え方だと思っている」と述べた。6月6日の国会答弁では慎重な考えを示しており、整合性が問われる可能性もある。

 首相は各党党首とテレビ朝日の討論番組に出演。別姓制度の導入に向けた法案について、司会者から「党議拘束を外して個々人の判断に委ねたらどうか」と問われた。首相はこれに同調した上で、「わが党はこの後もっと濃密な議論をしていきたい」と応じた。

 ただ、首相は6月6日の衆院予算委員会で、多くの政党が党議拘束を外して採決に臨んだ1997年の臓器移植法に言及。「党議拘束を外すのは死生観や価値観の根幹に関わるもの」との認識を示した上で、別姓法案は臓器移植法とは「かなり趣を異にする」と述べ、党議拘束を外すことに慎重な考えを示していた。

 先の通常国会では、別姓制度の導入に向けた法案が衆院で28年ぶりに審議入りしたものの、採決は見送られた。自民は党内の意見集約が進まず、参院選の公約でも触れていない。

 番組では、参院選の目標議席についても問われた。首相は非改選とあわせて「与党で過半数」を掲げており、自民、公明両党で50議席を確保すれば達する計算だ。これに対し、立憲民主党の野田佳彦代表は「相当に低い」と批判。首相は50議席に達しなかった際の責任について問われたが、「有権者の審判は厳粛に受け止めるべきものだ。そのことはよく分かっている」と述べるにとどめた。

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