連載コラム「政海コンパス」 政治部長・松田京平
このコラムは…
日本政治のこれからを展望します。過去に学び、永田町はもちろん地方や海外にも視野を広げ、未来を見据える。先行きが読めない時代に、政治という大海原を見渡すための羅針盤となるようなコラムをめざしています。
古今東西、選挙に勝ったリーダーは政治的立場が強い。逆に負けたリーダーは、求心力が衰える。国民の負託を受けた権力の正統性の問題として当然の帰結だ。野党の追及が強まり、与党にも批判勢力を抱える。失策があればすぐ窮地に陥る。きょう1日で就任半年の石破茂首相の現状が当てはまる。
「私の判断は間違いだった」「猛省しなければならない」。この半年で繰り返した妥協や判断のぶれ、謝罪は、石破氏個人の問題もあるが、昨年衆院選で少数与党に転落した敗軍の将が政権を維持する難しさを示す。
実は過去にも衆院選で敗北しながら続投した自民党総裁が2人いる。大平正芳氏と中曽根康弘氏。ともに最後は衆参同日選に活路を求め、敗軍の将の汚名をそそいだ。
2人の共通点
私はかつて、当時の首相側近…