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防衛大学校の卒業式で訓示する石破茂首相=2025年3月22日午前10時59分、神奈川県横須賀市、鈴木峻撮影

 石破茂首相は22日、幹部自衛官を養成する防衛大学校(神奈川県横須賀市)の卒業式に出席し、「我が国の独立と平和、国民の命、平和な暮らしを守り抜くことが我々の責務だ」と訓示した。

 首相は、中国の海洋進出や北朝鮮による相次ぐ弾道ミサイル発射に言及し、日本を取り巻く安全保障環境が厳しさを増していると指摘。また、ロシアによるウクライナ侵攻を念頭に「今日のウクライナは明日の東アジアかもしれないという不安を、多くの人が抱いている」と述べた。そのうえで、「武力侵攻の脅威が我が国に及ばないよう、抑止力を強化しなければならない」とし、防衛力強化の必要性を訴えた。

 また、自衛官の処遇改善について「自衛官であることに誇りと名誉を持ち、働きがいを実感しながら職務に専念でき、退職後も社会で活躍できるように取り組む」と決意を述べた。昨年12月には給与引き上げなどの基本方針を打ち出している。

 今年度、幹部自衛官候補を育てる本科の卒業生は363人(女性56人)で、うち40人(同7人)が任官を辞退した。このほか、タイ、ベトナムなど9カ国23人の留学生が卒業した。

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