石破茂首相は15日夜、カナダで開かれる主要7カ国首脳会議(G7サミット)に出席するため、政府専用機で羽田空港を出発する。首相はG7に合わせてトランプ米大統領と首脳会談を行う予定で、日米関税交渉をめぐるトップ会談で一定の合意が打ち出せるかが最大の焦点となる。
首相は出発前、首相公邸で記者団の取材に応じ、「日本とアメリカ双方にとって利益になる合意が実現するよう最大限の努力をしていきたい」と述べた。イスラエルとイランの攻撃の応酬が続く中東情勢やウクライナ支援にも触れ、「G7の結束が一番重要であり、具体的にどのようなことをしていくのか、日本として発信したい」と語った。
日本製鉄によるUSスチールの買収承認についても言及し、「投資によって日米相互の経済関係と、日米間のパートナーシップを強化するという意味において、象徴的な案件だった」と語った。
首相は13日にトランプ氏と電話で協議し、G7期間中の会談実施を確認している。協議後、米国による追加関税について「撤廃を求める立場に何ら変わりはない」と記者団に述べた。自動車関税などをめぐり日米で意見の隔たりがある中、首相は合意に向けた一致点を見いだすべく、トランプ氏と意見を交わすとみられる。
一方、G7では、イスラエルとイランの攻撃の応酬が続く中東情勢や、ウクライナへの支援などについて、各国首脳が議論する見通しだ。