通常国会閉会を受け、記者会見に臨む石破茂首相=2025年6月23日午後9時1分、首相官邸、岩下毅撮影

 石破茂首相は23日夜、首相官邸で、通常国会閉会に伴う記者会見を開いた。自民党総裁として7月の参院選に向けた目標議席や、米国のイラン攻撃に関する日本政府の対応などについて、言及した。

コメ価格「着実に変化」

 石破茂首相は会見の冒頭、少数与党の今国会で、政府が提出した法案59本のうち58本が成立したことなどに触れ、「責任与党として一定の成果を残せた」と述べた。

 高騰するコメの価格については、全国のスーパー約1千店で売られたコメ5キロの平均価格が税込み3920円になったことに触れ、備蓄米の放出で「着実に変化が表れている」と指摘。輸出の拡大促進などに向けて「政策を転換していく」と述べた。

勝敗ライン「(与党で)過半数」

 石破茂首相(自民党総裁)は会見で、7月の参院選の目標や勝敗ラインを問われ、「非改選と合わせて(与党で)過半数というものをちょうだいできますよう、全力を尽くしてまいりたい」と述べた。

 首相は「何議席を目指すということを軽々に申し上げることではない」とも語ったが、非改選を含めて与党である自民、公明両党で過半数を維持するには、改選される自公66議席のうち、50議席の確保が必要となる。

 首相は、参院選の論点について「一番の関心は、物価高ということにある」とし、コメの高騰対策やガソリンや電気代といったエネルギー価格について「的確に対応いたしていく」と述べた。

関税交渉「国益を損することがあってはならぬ」

 石破茂首相は会見で、日米首脳会談で合意に至らなかった関税交渉について「従来の交渉戦略を見直すべきではないか」と問われ、「合意を早期に実現することにこだわるあまり国益を損することがあってはならない」と語った。

 7月9日に相互関税の上乗せ分の発動猶予期限が迫る中、トランプ米大統領にどう働きかけるかについても問われたが「何が最も効果的か、何が国益に資するかを考えながら全力で取り組む」と述べるにとどめた。

集団的自衛権の行使「従来の姿勢を踏襲」

 米国によるイランの核施設攻撃をめぐり、石破茂首相は会見で、イランが報復としてホルムズ海峡を封鎖する可能性について「予断をもって答えることはできない」と述べた。

 また、石油の8割を中東からの輸入に頼っていることに触れ、「引き続き最大の緊張感を持って注視をしてまいりたい」と述べた。

 会見では、ホルムズ海峡が封鎖された場合に集団的自衛権の行使の対象になるかについても問われた。これに対し首相は、安倍政権が2015年に成立させた安全保障法制を挙げ、「集団的自衛権についての整理は従来の姿勢を踏襲する」と述べた。

 米国の攻撃が国際法上、妥当…

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