前原誠司氏(62)が政治の表舞台に帰ってきた。日本維新の会で共同代表に就任して約5カ月。野党第1党の党首に2度就き、政界を騒がせた過去を持つ前原氏は、石破茂首相とのパイプを強みに捲土(けんど)重来を期す。維新にとって、前原氏の起用は吉となるのか、凶となるのか。
2月16日夜、前原氏はスマートフォンを手にし、石破首相にショートメールを打った。
「明日、答弁よろしくお願いします。ただ、高さを示してもらわないと、我々はその先にいけません」。前原氏は、翌17日の衆院予算委員会で質問に立つ予定だった。
維新は主要政策として、私立高校に通う世帯への就学支援金をめぐり、現行の上限39万6千円から63万円への引き上げを掲げる。政府・与党側が具体的な引き上げ額を「高さ」として示さない限り、新年度当初予算への賛成という「その先」に踏み出せないと訴えたのだ。
前原氏には別の懸念もあった。予算委では、立憲民主党の野田佳彦代表らの後に質問の順番が回ってくる。自分より先に、高校無償化で踏み込んだ答弁をされたら党内で面目を失いかねない。そんな事情も首相へのメールにしたためた。
ほどなくして、首相から返信があった。
「明日は私らしくなく答弁要…