退陣表明の記者会見に臨む石破茂首相=2025年9月7日午後6時20分、首相官邸、岩下毅撮影

 石破茂首相が退陣に追い込まれた。参院選大敗の責任を取ったのではない。自民党内の権力闘争に敗れた結果だ。

 衆院に続き参院でも少数与党に転落した責任は重い。本来なら選挙結果を受けて即日、辞任を決断すべきだった。続投するなら、自分しかできないことを国民に示し、党内を制御するのがリーダーとしての責務だった。

 結局、「石破おろし」への嫌悪感から世論の「続投支持」が増える中で力尽きた。石破氏と自民党は50日間を空費したうえ、いわば「民意」に二度背いた格好だ。

 首相は7日の辞任会見で、「国民の政治に対する不信を払拭(ふっしょく)することはいまだにできていない。私にとって最大の心残りだ」と述べた。

 自民党の敗因は裏金問題だけ…

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