Smiley face
写真・図版
退陣表明から一夜明け、報道陣の質問に答えた石破茂首相=2025年9月8日午前8時58分、首相官邸、菊池康全撮影

 石破茂首相の退陣表明から一夜明け、早くも次の総裁選に向けた動きが表面化している。見通しの晴れない経済情勢の中にあって、新しい政権はどのような姿勢が求められているのだろうか。

コメ政策「増産の方向性は良かったが」

 石破政権下で大きな転換点を迎えたのが、コメ政策だ。米価の高騰などを受け、「つくらせない」から「つくらせる」へとかじを切ろうとしている。主導した政権が揺らぐなか、農家からは不安の声が聞こえる。

 山形県で農業法人の代表を務め、農地の大規模化やスマート農業に取り組んでいる斎藤一志さん(68)は、石破首相の増産方針に対して「効率化してコメを増産するという方向性は良かった」と評価する。

写真・図版
斎藤一志さん=2025年6月23日、山形県三川町

 一方「具体的な出口と暴落時の補償策を示してほしかった」とも指摘。増産によって大量のコメが出回ることで、価格の暴落が起きることを懸念する。「次に暴落が起きれば、担い手はいなくなる。そうなったら、もう立て直せない」

 農家の高齢化に歯止めがかか…

共有