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産業技術総合研究所が開発した、砂つぶの種類を自動で認識して分類する装置=茨城県つくば市

 地球上に無数に存在する「砂つぶ」は、環境や歴史などさまざまな地球の変化を私たちに教えてくれる。ただ、一粒一粒を調べるのは膨大な人手や時間が必要だ。近年人工知能(AI)などの技術を使って効率的に分析する技術開発が進み、専門家は「科学のパラダイムシフトになる」と話す。

小さな地球の記録者「微化石」

 砂の中には、プランクトンや花粉など、数マイクロメートルから数ミリメートルのとても小さな生き物の化石「微化石」たちが含まれている。地層に残るこうした微化石は、過去の地球の気候や環境を知る手がかりになる。資源の探鉱や災害の地層解析においても重要な存在だ。

 微化石はガラスの殻を持った単細胞生物の「放散虫」や、星の砂として有名な「有孔虫」など複雑な形をしているものが多い。

 放散虫は今から約5億数千年…

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