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ウクライナ東部ドネツク州で2024年8月21日、前線のロシア軍の陣地に向けて榴弾(りゅうだん)砲の発射準備をするウクライナ軍兵士=AP

 ロシアによる侵攻から2年半の経過とともに、ウクライナを巡る国際環境も変化した。北大西洋条約機構(NATO)はウクライナへの支援を続けてきたが、盟主の米国で大統領選が迫り、結果次第で大きな政策転換も見込まれる。グローバルサウスと呼ばれる新興・途上国も、煮え切らない姿勢を取る。ウクライナの苦境がいつまで続くのか、終わりが見えない。

 米国のバイデン政権は計500億ドル(約7・2兆円)を超える軍事支援を続けてきた。「ロシアが勝つことはなく、独立したウクライナの人々が勝つ。米国や同盟・友好国は、全ての過程で共に歩み続ける」。バイデン大統領は23日、ウクライナの独立記念日を翌日に控えた声明で、改めてこう宣言した。ゼレンスキー大統領とも話し、米国の「揺るぎない支援」を伝えたという。

 ロシアの攻撃からインフラを守る防空システムや、弾薬など1億2500万ドル(約180億円)相当の追加軍事支援も発表した。無人航空機(ドローン)に対抗する兵器や高機動ロケット砲システム「ハイマース」用のロケット弾、155ミリ砲弾、対戦車ミサイルの「ジャベリン」や「TOW」が含まれる。

 米国は当初、ロシアを過度に刺激しないよう武器支援を限定していたが、戦争の長期化に伴い、より射程が長く打撃力も大きいものを提供するようになった。提供した武器によるロシア国内への攻撃は禁じていたが、5月、国境沿いの越境攻撃への反撃に限って認める方針への変更に踏み切った。ウクライナ軍によるクルスク州への攻撃もこの範囲で行われているというのが米側の認識だ。

 カービー米広報補佐官(国家安全保障担当)は23日、ウクライナによる越境攻撃にハイマースが使われたとの報道について真偽の明言を避けつつ、「自衛の越境攻撃に米国の武器を使う際の場所や方法について、ウクライナに示した方針は変わっていない」と述べるにとどめた。

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