支援者から花束を受け取った杉本和範氏=2024年7月21日午後9時59分、福井県小浜市、乗京真知撮影

 20年ぶりの選挙戦となった福井県小浜市長選が21日投開票され、無所属新顔の前市議、杉本和範氏(44)が、5選を目指した無所属現職の松崎晃治氏(66)=自民、公明推薦=を破り、初当選を果たした。同市は自民党派閥の裏金事件で党員資格停止処分を受けた、旧安倍派の元幹部・高木毅衆院議員の地元。高木氏は松崎氏を支援していた。松崎氏は自民系会派で県議会議長も務めたベテラン首長だった。

 当日有権者は2万3057人。投票率は68・02%(2004年、77・46%)。

 杉本氏は、「行政と市民の間に大きな隔たりがある。自分は市民一人ひとりの声を形にしていく」と16年ぶりの市政転換を訴えた。告示後も個人演説会で市民からの意見を聴き、公約や政策を説明する対話を軸にした選挙戦を展開した。

 注力する政策として、ふるさと納税を4年で4倍の10億円に増やすとし、新たな財源確保とともに、返礼品開発を通じて、小浜を全国に売り込むなどと訴えた。

 松崎氏は自民党などの推薦に加え、農政連など約300団体から推薦を受けるなど、旧来型の組織戦を展開。高木氏も出陣式でマイクを握り支援したが、及ばなかった。(佐藤常敬)

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